CGI
CGIとは?Webサーバー上で動的な処理を実行する仕組みと活用例
CGI(Common Gateway Interface)とは、Webサーバー上で外部プログラムを実行するためのインターフェースであり、ユーザーのリクエストに応じてサーバー側で処理を行い、その結果をWebブラウザに返す仕組みです。1990年代から利用されている技術であり、Webサイトに動的な機能(=ユーザーの操作に応じて結果が変わる処理)を実装する際に使われてきました。
フォーム送信、掲示板、アクセスカウンター、メール送信などの「ユーザー入力に応じて変化する処理」は、すべてこのCGIの仕組みを使って実現できます。
静的ウェブサイトと動的ウェブサイトの違い
CGIを理解する上では、「静的ウェブサイト」と「動的ウェブサイト」の違いを知っておくことが重要です。
- 静的ウェブサイト:HTMLファイルで作られた内容が常に一定で、ユーザーがアクセスしても変化しないページ構成。コーポレートサイトの会社概要ページなどに多く見られます。
- 動的ウェブサイト:ユーザーの入力や選択に応じて内容が変化するWebページ。たとえば、フォーム送信後に表示が変わる、おすすめ商品がユーザーごとに変わるなどの処理です。これを実現するためにCGI、PHP、Pythonなどの技術が用いられます。
CGIの仕組み
CGIの処理の流れは以下の通りです。
- ユーザーがWebページ上のフォームなどを操作
例:問い合わせフォームに情報を入力して「送信」をクリック。 - WebサーバーがCGIプログラムを呼び出す
その入力情報がURLのパラメータやPOSTデータとしてサーバーに送信されます。 - CGIプログラムがサーバー上で実行され、処理を行う
入力データの検証、データベースとの通信、ファイルへの書き込みなどを行います。 - CGIプログラムの出力がWebブラウザに返され、結果が表示される
例:問い合わせ完了画面や、掲示板への投稿表示など。
この仕組みはWebサーバーと外部プログラムの橋渡しをするための規格であり、PerlやPython、Shell Script、さらにはC言語などさまざまな言語でCGIプログラムを記述できます。
CGIで実装されている主な機能例
CGIは、以下のようなWeb機能に用いられてきました。
- 問い合わせフォーム:ユーザーが入力したデータをサーバーで受け取り、メール送信やCSV保存などを行う。
- 電子掲示板(BBS):投稿フォームから入力された内容をサーバーに保存し、HTMLとして出力して表示。
- アクセスカウンター:ページへの訪問回数をカウントし、その数値をリアルタイムに表示。
- アンケート機能:選択肢に対する集計結果を蓄積し、可視化。
- 予約システム:予約情報を受付・保存し、管理画面で確認できるようにする。
CGIとPHPの違い
近年はCGIよりもPHPやRuby、Pythonなどのスクリプト言語のほうが主流になっています。特にPHPは、HTMLと組み合わせて直接記述でき、サーバーのレスポンスが速いため、広く普及しています。
項目 | CGI | PHP |
---|---|---|
処理場所 | サーバー上の外部プログラム | HTML内に埋め込んで処理 |
使用言語 | Perl, Python, C など | PHP 専用言語 |
実行方式 | サーバーが毎回外部プログラムを起動 | 常駐プロセスで高速処理 |
処理速度 | 遅め(外部プロセス起動が必要) | 高速 |
拡張性 | 高いが複雑 | CMSなどと連携しやすい |
CGIのメリットとデメリット
メリット
- 様々なプログラミング言語で記述可能。
- 外部プログラムとして独立しているため、柔軟な処理が可能。
- ロジックをHTMLと分離できる。
デメリット
- サーバーに高負荷がかかる(外部プロセスを毎回起動するため)。
- 複雑な処理はセキュリティリスクがある(入力チェックが甘いと脆弱性につながる)。
- メンテナンスが難しく、CMSなどとの連携がしにくい。
現代におけるCGIの立ち位置
現在では、CMS(WordPressなど)やフレームワーク(Laravel、Djangoなど)の台頭により、CGI単体でWebアプリケーションを構築することは減少しました。しかしながら、軽量なフォーム送信処理や、メール自動送信ツール、簡易的なAPI連携などの分野ではまだ利用されています。
また、セキュリティを考慮してCGIの代わりにサーバー側での処理をPHPなどで行う方法が主流になっていますが、レガシーなWebサイトや企業のイントラネットなどでは依然としてCGIが現役で活用されているケースもあります。
CGI まとめ
CGIは、Webサーバー上で外部プログラムを実行し、ユーザーの入力に応じた動的な処理を実現する技術です。静的ページしか表示できなかったWebにインタラクティブな機能を追加する画期的な仕組みとして、初期のWeb開発に大きな影響を与えました。
現在ではPHPなどのスクリプト言語に役割を譲りつつも、特定の用途や小規模な処理、レガシーシステムの保守などにおいて、依然として一定のニーズがあります。
Web開発の歴史を理解し、状況に応じて最適な技術を選ぶことは、効率的かつ安全なシステム運用にとって重要です。
システム開発
- W3C(World Wide Web Consortium)
- CSS(Cascading Style Sheets)
- HTML
- AMP (Accelerated Mobile Pages)
- CMS(Contents Management System)
- Flash
- FTP(File Transfer Protocol)
- JavaScript
- PHP(Hypertext Preprocessor)
- WWW(World Wide Web)
- XHTML
- クオリティ アップデート(Quality Update)
- ゲートウェイ(Gateway)
- サーバー(Server)
- データベース(Database)
- レンタルサーバー
- ブロードバンド(Broadband)
