ホームページ制作の流れは、依頼前に発注者が進める3工程と、発注後に制作会社と進める7工程の全10工程に分かれます。一般的なコーポレートサイト(10〜20ページ程度)であれば、制作会社を探し始めてから公開までで3〜4ヶ月、発注後の制作期間だけを見れば1.5〜3ヶ月が目安です。
この記事は、「問い合わせる前に自社で何を決めておくべきか知りたい」「発注から公開まで何がどう進むのか把握しておきたい」という中小企業の経営者・個人事業主の方に向けて書いています。工程ごとに発注者の役割と出てくる成果物の見方を整理し、公開前チェックリストも記事内にすべて掲載しました。
INDEX
ホームページ制作の流れは「依頼前」と「発注後」の2段階に分かれる
ホームページ制作の流れは、発注者が主導する依頼前3工程と、制作会社と進める発注後7工程の全10工程に分かれます。多くの方はこの流れを、制作会社に問い合わせた後の話だと考えています。しかし実際には、問い合わせる前に発注者側で決めておくべきことが3つあり、ここを飛ばすと後半の工程で手戻りが起きやすくなります。
| フェーズ | 工程 | 主に動く人 | 期間目安 |
|---|---|---|---|
| 依頼前 | 目的とゴールを言語化する | 発注者 | 1〜2週間 |
| 依頼前 | 社内の体制と決裁フローを決める | 発注者 | 数日〜1週間 |
| 依頼前 | 要件を整理して制作会社を選ぶ | 発注者 | 2〜4週間 |
| 発注後 | ヒアリング・要件定義 | 発注者+制作会社 | 1〜2週間 |
| 発注後 | 企画・構成設計 | 制作会社 | 2〜3週間 |
| 発注後 | デザイン制作 | 制作会社 | 3〜4週間 |
| 発注後 | 原稿・素材準備 | 発注者(前工程と並行) | 2〜4週間 |
| 発注後 | コーディング・システム実装 | 制作会社 | 3〜6週間 |
| 発注後 | テスト・確認 | 発注者+制作会社 | 1〜2週間 |
| 発注後 | 公開・アフターフォロー | 発注者+制作会社 | 数日〜1週間 |
依頼前フェーズを省略すると、目的があいまいなまま複数社の提案を受けることになり、比較軸が「金額の安さ」だけになりがちです。その結果、公開後に「思っていたものと違う」「更新できる人が社内にいない」という事態につながります。

サイトの種類・規模ごとの費用相場と制作期間の対応表は別記事にまとめています。予算から逆算したい方は先にこちらをご覧ください。
依頼前にやること:発注者が主導する3工程
ここは制作会社に任せられない、発注者自身が動く工程です。逆に言えば、ここが固まっていれば制作会社選びも発注後の進行も一気に楽になります。
目的とゴールを言語化する(1〜2週間)
最初に決めるのは「誰に何を伝え、どんな行動をしてほしいか」です。問い合わせ増加か、採用応募か、既存顧客への信頼構築かで、必要なページも設計も変わります。あわせて達成したい数値(KPI)と測り方も決めます。「なんとなく格好良くしたい」で進めると、デザインの良し悪しを社内の好みで判断することになり、公開後に成果を検証できません。
この工程で決めておきたいこと
- □ ホームページの目的(問い合わせ増加・採用強化・ブランディング等)を1つに絞る
- □ 想定するターゲット(業種・役職・検討状況)
- □ 達成したい数値と測り方(問い合わせ件数、資料請求数など)
- □ 公開希望日とその理由(展示会・採用シーズン・補助金の期限など)
- □ 予算の上限と、上限を超えた場合の判断基準
社内の体制と決裁フローを決める(数日〜1週間)
次に決めるのが人です。ここを曖昧にしたまま発注すると、スケジュール遅延の最大要因になります。
- 窓口担当者:制作会社とやり取りする人。1名に固定すると伝達ミスが減ります
- 決裁者:デザインや原稿を最終承認する人。複数いる場合は承認の順番まで決めます
- 原稿・写真の担当:誰がいつまでに出すかを先に決めます
- 公開後の更新担当:決めないまま公開すると、更新が止まったサイトになります
公開後の運用を誰がどこまで担うかは、制作会社に依頼する保守の範囲と直結します。
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要件を整理して制作会社を選ぶ(2〜4週間)
目的と体制が決まったら、文書にまとめて複数社に渡します。これがRFP(提案依頼書)です。各社が同じ条件で提案してくれるため、違いを金額以外で比較できるようになります。
この2〜4週間は、おおよそ次のような配分で進みます。候補の洗い出しと問い合わせに3〜5日、各社からの提案・見積もり提示までに1〜2週間、社内での比較検討と決裁に3〜5日、契約手続きに2〜3日です。提案を待つ期間が読めないと全体のスケジュールが崩れるため、問い合わせの時点で提案書の提出期限を先に伝えておくとブレを抑えられます。
各社に同じ条件で依頼するために決めておくこと
- □ 提案書・見積書の提出期限(全社で同じ日付にする)
- □ 質問の窓口と回答方法(1社への回答を全社に共有すると条件が揃う)
- □ 見積に必ず含めてほしい項目(撮影・原稿制作・CMS構築・保守など)
- □ 提案時に見せてほしい実績(同業種・同規模のサイト)
条件をそろえないまま各社に別々の情報を渡すと、金額の差が「何の差なのか」を判断できなくなります。安い見積もりは撮影・原稿制作・保守が範囲外になっていることが多く、後から追加費用として表に出てきます。
提案書を比較するときに見る4つの観点
- 要件の理解度:自社の課題を言い換えて説明できているか。テンプレートの企画書を流用していないか
- 担当者の体制:窓口が誰で、公開まで同じ担当者が続くか。制作は社内で行うか外注か
- 見積の内訳:デザイン・コーディング・CMS構築・撮影・原稿が項目として分かれているか。「一式」でまとめられていないか
- 公開後の扱い:保守の範囲と月額費用、更新作業を自社と制作会社のどちらが行うか
BravoWebでは、提案の段階で業種の商習慣や競合サイトの状況を調べたうえで企画書を作成しています。同業種の実績があるかを確認しておくと、業界特有の表現や法規制(医療広告ガイドライン・景品表示法など)を踏まえた提案を受けられるため、公開直前の差し戻しが起きにくくなります。
比較する会社数の考え方は、別記事で解説しています。
発注後の制作7工程と期間の目安
契約後は制作会社主導で進みますが、発注者の確認待ちで止まる場面が何度もあります。各工程で何が出てくるのか(成果物)を知っておくと、確認の精度が上がります。工程ごとに成果物の名前と見るべき点を解説していきます。
なお、ページ数が多い、EC機能や多言語対応を含む、社内の承認フローが複雑といった条件が重なるほど期間は伸びます。逆にテンプレートを活用し、原稿と写真が揃った状態で依頼すれば1ヶ月程度で公開できるケースもあります。
ヒアリング・要件定義(1〜2週間)
依頼前に整理した目的・要件をすり合わせ、ページ数と機能(フォーム、ブログ、多言語対応など)を確定させます。ここで曖昧に残した項目が、後工程の追加費用や納期延長の原因になります。
企画・構成設計(2〜3週間)
この工程では次の2つの成果物が出てきます。用語を知らないまま確認すると、見るべき点を見落とします。
サイトマップ
サイト全体のページ構成と階層を示した一覧図です。「必要なページが漏れていないか」「階層が深すぎて迷わないか」を確認します。
ワイヤーフレーム
各ページのどこに何を配置するかを線と枠だけで示した設計図です。色や写真はまだ入りません。「伝えたい順番か」「問い合わせボタンが押しやすい位置か」を確認します。
ここでの確認が甘いと、デザイン工程の後半で手戻りが発生しスケジュール全体に影響します。時間を取って確認することが結果的に最短ルートです。
デザイン制作(3〜4週間)
ワイヤーフレームに色・写真・文字を入れた完成見本がデザインカンプです。トップページの方向性を固めてから下層ページへ展開します。
原稿・素材準備(デザイン・構成と並行、2〜4週間)
会社概要・サービス紹介・実績などのテキスト、写真、ロゴデータの準備です。この工程が最もスケジュールを圧迫しやすいため、依頼が来る前から動き始めて構いません。
- □ 会社概要・沿革・代表挨拶などのテキスト原稿
- □ サービス・商品の紹介文と写真
- □ スタッフ・現場の写真(可能であればプロカメラマンによる撮影)
- □ ロゴデータ(ai・png等、背景が透過されたもの)
- □ お客様の声・導入実績として掲載できる情報
写真は撮影日程の調整に時間がかかるため、検討を始めた時点で候補日を押さえておくと後工程が楽になります。設備が古いから難しいと考える必要もありません。プロのカメラマンをアサインすることで工場や製品を見栄え良く映し出す工夫をし、写真の仕上がりはかなりの違いが感じられます。
コーディング・システム実装(3〜6週間)
確定したデザインを、ブラウザで表示・動作する形に組み立てる工程です。作業は大きく2つに分かれます。
- フロントエンド:閲覧者が実際に目にする部分の実装(表示、スマートフォン対応、動きなど)
- バックエンド:見えない部分の仕組み(フォームの送信処理、CMSでの更新機能など)
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム=専門知識がなくても更新できる管理システム)としてWordPressを使う場合は、この段階で組み込みます。
あわせてサーバーとドメインの契約も進みます。重要なのは契約名義を自社にしておくことです。制作会社名義のままだと、将来別の会社へ移りたくなったときに移管交渉が必要になります。契約前に必ず確認してください。
テスト・確認(1〜2週間)
制作会社側でも検証しますが、発注者自身の確認が最後の砦です。公開前に確認すべき項目をまとめました。そのままコピーしてお使いいただけます。
公開前チェックリスト(発注者用12項目)
- □ スマートフォン・タブレット・パソコンそれぞれで全ページの表示崩れがないか
- □ 主要ブラウザ(Chrome・Safari・Edge)で表示を確認したか
- □ 全ページのリンク切れ(404エラー)がないか
- □ お問い合わせフォームを実際に送信し、自社に届いたか
- □ フォームの自動返信メールが迷惑メールフォルダに入らないか
- □ 会社名・住所・電話番号・営業時間が最新の情報になっているか
- □ 実績数・保有資格・料金などの数値に誤りがないか
- □ 誤字脱字がないか(社名・人名・製品名は特に注意)
- □ 使用写真の権利を確認したか(購入素材のライセンス、人物の掲載許可)
- □ スマートフォンで電話番号をタップして発信できるか
- □ プライバシーポリシーなど必要な表記が掲載されているか
- □ 旧サイトからURLが変わるページのリダイレクト(旧URLへのアクセスを新URLへ自動転送する設定)がされているか
特に見落としが多いのはフォームの送信テストとリニューアル時のリダイレクト設定です。前者は問い合わせ機会を、後者は既存の検索順位を失う原因になります。
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公開・アフターフォロー(数日〜1週間)
本番サーバーへの反映、独自ドメインへの切り替え、Googleアナリティクス・Search Consoleの設定を行って公開します。公開してすぐ検索結果に出るわけではありません。Googleがページを認識して登録するまでには数日から数週間かかります。Search Consoleからインデックス登録のリクエストを行うことで認識を早められる場合があるため、公開直後の対応まで見てくれる制作会社を選ぶと安心です。
公開後が本番:運用と集客・AI検索対策まで含めて設計する
ホームページは公開して終わりではなく、成果が出るかどうかは公開後に決まります。更新と発信を続けられる体制があるかどうかが、ここで効いてきます。
公開後に設計しておきたいのは次の3点です。
- 更新体制:誰が何をどの頻度で更新するか。お知らせ・実績・ブログのいずれかは動かし続ける
- 検索経由の集客(SEO):検索されるキーワードに対し、どのページで答えるかを決める
- AI検索への対応(LLMO対策):ChatGPTやGoogle AI Overviewsに引用されるための構造づくり
スケジュールが遅れる4つの原因と先回りの対策
遅延は制作会社の作業よりも発注者側の対応待ちで起きているケースが多くあります。依頼前フェーズで体制を決めておけば、いずれも先回りで防げます。
- 原稿・写真の提出遅れ:担当者が決まっていないと収集に想定以上の時間がかかります。依頼前の段階で担当部署と提出期限を決めておきます
- 社内承認フローの長さ:デザイン確認に複数の役職者の承認が必要な場合、確認だけで1〜2週間かかることがあります。決裁者と承認順をあらかじめ制作会社に伝えておけば、スケジュールに織り込んでもらえます
- 修正回数の上限超過:契約範囲を超えると追加費用や日程調整が発生します。修正依頼はまとめて出し、往復を減らします
- 要件の後出し:制作途中の「このページも追加したい」は構成の見直しにつながります。要件定義の段階で具体的にすり合わせておくことが重要です
BravoWebでは制作開始前にお客様と一緒にスケジュール表を作成し、原稿提出の期限を区切ることで遅延を防いでいます。進行中に要望が増えた場合も期日を守れるよう調整します。
よくある質問
Q1. ホームページ制作は最短でどれくらいで完成しますか?
テンプレートを活用し、原稿・写真が揃った状態なら、ランディングページで2週間程度、小規模なコーポレートサイトで1ヶ月程度で公開できるケースがあります。オリジナルデザインや独自機能を含む場合はそれ以上かかります。
Q2. RFP(提案依頼書)は作った方がいいですか?
複数社を比較するなら作ることをおすすめします。同じ条件で提案を受けられるため、金額以外の違いが見えます。形式は自由で、目的・現状の課題・必要なページと機能・予算とスケジュール・公開後の運用体制の5点が書かれていれば十分です。
Q3. 公開日が決まっている場合、どのくらい前に相談すればいいですか?
一般的なコーポレートサイトなら、公開希望日の4〜5ヶ月前が安全です。制作会社の選定に2〜4週間、発注後の制作に1.5〜3ヶ月かかります。展示会や採用シーズンなど動かせない期日は、最初のヒアリングで必ず伝えてください。
Q4. 制作期間中、発注者側はどれくらいの工数が必要ですか?
制作期間全体を通じて週1〜2時間程度が一般的です。ただし原稿・写真を準備する期間は担当者の稼働がまとまって必要になるため、その時期だけは業務量を調整しておくと安心です。
Q5. 公開前に発注者が確認すべきことは何ですか?
表示崩れ・リンク切れ・フォームの送信テスト・会社情報の最新性・掲載数値の正確さ・写真の権利確認が最低ラインです。本記事の「公開前チェックリスト(発注者用12項目)」をそのままお使いください。特にフォーム送信テストとリダイレクト設定は見落としが多い項目です。
Q6. 制作途中でページを追加したくなった場合はどうすればいいですか?
早い段階で相談すれば、構成設計のやり直し範囲を最小限に抑えられます。公開直前の追加はテスト工程からやり直しになり、スケジュールが大きく延びます。要望は早めに伝えてください。
まとめ:依頼前の3工程を固めてから動き出す
ホームページ制作の流れは、依頼前の3工程(目的の言語化・社内体制の決定・要件整理と会社選定)と、発注後の7工程に分かれます。一般的なコーポレートサイトなら、制作会社を探し始めてから公開まで3〜4ヶ月を見込んでおくと余裕を持って進められます。
うまく進むかどうかは、発注後の工程よりも依頼前の準備で決まります。目的とKPIを言語化し、窓口・決裁者・原稿担当・公開後の更新担当を先に決めておけば、遅延の主な原因は回避できます。公開希望日が決まっているなら、逆算して早めに相談を始めましょう。
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- 監修者
- 田邉 文章 Fumiaki Tanabe




