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はじめに:ホームページ制作にはどれくらいの費用と期間がかかるのか
ホームページを制作したいと考えたとき、多くの方がまず気になるのが「費用」と「制作期間」です。
しかし実際には、制作する目的や内容によって、その金額や期間は大きく異なります。
例えば、5ページ程度のシンプルなコーポレートサイトであれば、費用も数十万円ほどで済むことが多く、期間も1〜2ヶ月程度で完成します。
一方で、ショッピング機能を持つECサイトや複雑なシステムが必要なサイトの場合、費用は数百万円を超えることもあります。
今回は、費用の内訳や相場感、制作期間の目安、そしてコストを抑えるためのポイントまで、初心者の方でもわかりやすく丁寧に解説していきます。
ホームページ制作にかかる「費用」の基本構造と内訳
ホームページ制作の費用は、単に「いくらかかるか」ではなく、どんな費用項目があるのかを理解することが重要です。ここではまず、基本的な構造と代表的な費用内訳についてご説明します。
制作費と運用費
ホームページ制作には、大きく分けて次の2種類の費用が発生します。
費用の種類 | 説明 |
---|---|
制作費 | ホームページを制作・公開するまでにかかる費用(デザイン、構築、ドメイン取得など) |
運用費 | 公開後に発生する運用・保守、サーバー代、更新代行などの継続費用 |
「制作費が安い」と感じても、運用費が高く設定されているケースもあるため、総額で判断することが大切です。
制作費の内訳
ホームページ制作にかかる費用は、複数の工程に分かれています。
それぞれの作業内容と費用相場を理解することで、適正な見積もりを判断しやすくなります。
項目 | 内容 | 費用相場(目安) |
---|---|---|
ディレクション費 | ヒアリング、構成案作成、進行管理など全体の企画・設計業務 | 5〜20万円 |
トップページ デザイン費 | トップページのデザイン制作。 | 5〜15万円 |
下層ページ デザイン費 | 下層ページ(会社概要・サービス紹介など)の個別デザイン | 2〜8万円/ページ |
トップページ コーディング費 | デザインをWebページ化(HTML/CSS)。レスポンシブ対応含む | 5〜10万円 |
下層ページ コーディング費 | 下層ページのコーディング作業。ページごとに費用が発生 | 1.5〜5万円/ページ |
CMS初期設定費 | WordPressなどのCMSインストール、初期設定、SSL・ログインなど | 3〜10万円 |
CMS構築費 | 投稿機能、カテゴリ設定、カスタム投稿の設計・開発 | 10〜50万円 |
ライティング費 | サイトに掲載する文章の原稿制作(SEO・構成含む) | 1〜5万円/ページ |
写真撮影・画像制作費 | プロによる写真撮影、画像加工、アイコン制作など | 3〜15万円(撮影1回) |
フォーム・システム開発費 | お問い合わせフォーム、予約システムなどの機能開発 | 5〜30万円/機能単位 |
※費用は制作会社や地域、サイト規模、オプションの有無によって変動します。
このように各工程に分けて費用を把握することで、見積書の内容が適切かどうかを判断しやすくなります。また、「自社で対応できるところ」と「プロに任せるべきところ」を整理することで、全体コストの調整もしやすくなります。
【種類別】ホームページ制作の費用相場
ホームページの「種類」によってどれくらい費用が異なるのかを解説します。内容や機能の違いが費用に直結します。
サイトの種類 | 費用相場(目安) |
---|---|
コーポレートサイト | 30〜150万円 |
ECサイト(ネットショップ) | 50〜300万円以上 |
ランディングページ(LP) | 10〜50万円(1ページ単位) |
採用サイト | 50〜200万円 |
ブログ・メディアサイト | 30〜100万円 |
各サイトの特徴と制作期間の目安
■ コーポレートサイト
企業の紹介や事業内容、問い合わせフォームなどを掲載する基本的な企業向けホームページ。
制作期間の目安:1〜2ヶ月

■ ECサイト(ネットショップ)
ショッピングカート機能、商品ページ、決済・配送機能などが必要なサイト。
構築内容が複雑になるため費用も期間もかかりやすいです。
制作期間の目安:2〜4ヶ月
■ ランディングページ(LP)
1ページ完結型で、商品・サービスの申込や資料請求などのコンバージョン(成果)に特化した構成。
ページ数は1枚ですが、デザイン性と訴求力が求められるため制作密度は高いです。
制作期間の目安:2〜4週間

■ 採用サイト
求職者向けに企業の魅力や雰囲気を伝える専用サイト。写真・動画・社員インタビューなどが多く含まれるため、情報設計に時間がかかることがあります。
制作期間の目安:1.5〜3ヶ月
■ ブログ・メディアサイト
CMS(WordPressなど)を使って、自社で記事を更新できるように設計されたサイト。記事投稿機能やカテゴリ管理、検索機能などが組み込まれるのが一般的です。
制作期間の目安:1〜2.5ヶ月
【目的別】ホームページ制作の費用相場
ホームページは「何のために作るのか」という目的によって、必要な機能や構成が変わります。
その結果として、費用にも差が出てきます。
以下に、目的ごとの費用相場をまとめました。
目的 | 費用相場(目安) |
---|---|
集客目的(SEO/広告) | 50〜200万円 |
採用目的 | 50〜150万円 |
EC販売目的 | 100〜300万円以上 |
ブランディング目的 | 80〜300万円以上 |
各目的の特徴と制作期間の目安
■ 集客目的(SEO対策・広告活用)
検索エンジン(Googleなど)での上位表示や、リスティング広告の着地ページとして活用するサイトです。
SEOに強い構成、ブログ機能、内部リンク設計などが重要となります。
制作期間の目安:1.5〜3ヶ月
■ 採用目的
求職者向けに、企業の魅力・働く環境・キャリアモデルなどを伝えるサイト。社員の写真やインタビュー動画など、独自コンテンツの制作が多くなります。
制作期間の目安:1.5〜3ヶ月
■ EC販売目的
ネットショップとして商品の紹介・カート・決済機能などを持つ本格的な販売サイト。商品数が多い場合は、データ登録や機能調整に多くの時間とコストがかかります。
制作期間の目安:2〜4ヶ月
■ ブランディング目的
デザイン性や世界観、ストーリーを伝えるために作られるサイトです。動画・アニメーション、特殊なスクロール演出などを取り入れるケースが多く、オリジナル性を高める分だけ費用が高くなります。
制作期間の目安:2〜3.5ヶ月
【規模別】ホームページ制作の費用相場
ホームページの費用は「ページ数」や「構成の複雑さ」によっても大きく変動します。
ここでは、サイトの規模(ページ数・機能数)による費用の違いを整理します。
規模 | 費用相場(目安) |
---|---|
小規模サイト(〜5ページ) | 20〜50万円 |
中規模サイト(6〜20ページ) | 50〜150万円 |
大規模サイト(20ページ以上) | 150〜300万円以上 |
更新を前提としたサイト(CMS対応) | 80〜200万円 |
各規模の特徴と制作期間の目安
■ 小規模サイト(〜5ページ)
会社概要・サービス紹介・お問い合わせフォームなど、最小限の情報だけを掲載するシンプルな構成です。
テンプレートを活用することで、比較的短期間・低コストで制作できます。
制作期間の目安:2〜4週間
■ 中規模サイト(6〜20ページ)
複数のサービス紹介、実績紹介、採用情報など、内容がやや多くなる中小企業向けの構成です。
デザインやコンテンツの作り込みによっては費用が増加します。
制作期間の目安:1〜2.5ヶ月
■ 大規模サイト(20ページ以上)
事業部が複数ある企業、大学・自治体などに多く見られる構成。
ページ数が多いだけでなく、構造も複雑になるため、サイトマップ設計やCMS設計も入念に行う必要があります。
制作期間の目安:2〜4ヶ月
■ 更新を前提としたサイト(CMS対応)
ブログ機能やお知らせ更新、商品登録など、自社でページ更新できるようCMS(例:WordPress)を導入したサイトです。
初期構築費はかかりますが、長期運用を考えるとコスト効率が高くなります。
制作期間の目安:1.5〜3ヶ月
ホームページ制作に必要な期間の目安
ホームページ制作には、いくつかの工程があり、それぞれに一定の期間がかかります。制作期間は「サイトの規模」や「準備状況」によって大きく変わります。
一般的な制作フローと各工程の目安(10ページ前後のサイトの場合)
制作工程 | 期間の目安 | 内容 |
---|---|---|
1. ヒアリング・構成 | 1〜2週間 | 目的・ターゲットの整理、全体構成の決定 |
2. ワイヤーフレーム作成 | 1週間 | 画面レイアウトやコンテンツの配置 |
3. デザイン制作 | 2〜3週間 | トップページと下層ページのデザイン案作成 |
4. コーディング | 2〜3週間 | 実際にWeb上で動く形に構築 |
5. 最終確認・修正 | 1週間 | 誤字脱字、動作チェック、リンク確認など |
6. 公開準備・リリース | 1週間 | ドメイン設定、サーバーアップ、公開 |
合計で3ヶ月程度が一般的ですが、内容の複雑さや社内対応状況により、半年以上かかるケースもあります。
ページ数・機能による納期の変動
ホームページの制作期間は、単にページ数だけではなく、ページごとの作り込みの深さや、システム機能の有無によっても変わります。
ページ数が多い場合
1ページごとに異なるレイアウトや画像が必要な場合、1ページ追加ごとに1〜2営業日以上の作業が増えることもあります。
例:
- 5ページ → 約3〜4週間
- 15ページ → 約5〜6週間
- 30ページ以上 → 2ヶ月〜3ヶ月以上かかる可能性
機能が多い場合
以下のような追加機能がある場合は、それぞれに工数が発生します。
機能 | 追加期間の目安 |
---|---|
問い合わせフォーム(カスタム項目) | +2〜3日 |
予約システム | +1〜2週間 |
商品管理・決済機能(ECサイト) | +2〜4週間 |
会員ログイン機能 | +1〜2週間 |
多言語対応 | +2〜3週間(翻訳対応含む) |
複数の機能が組み合わさる場合、全体の構築バランスやテスト期間も含めて調整が必要になります。
急ぎたい場合の対処法(実践的ガイド)
「できるだけ早く公開したい」というケースもよくあります。
そんなときは、以下の方法を取り入れることで、納期を短縮することが可能です。
1. テンプレートの活用
完全オリジナルではなく、既存のテンプレートをカスタマイズして使用することで、
- デザイン期間を大幅に短縮
- 動作テストの手間も削減
制作期間を通常の半分程度(約2週間前後)まで短縮できるケースもあります。
2. 原稿・写真・ロゴなどを事前に用意
- テキスト原稿(会社案内・サービス紹介など)
- 使用したい画像(社員写真・商品写真など)
- ロゴデータ(AI、PNG形式)
これらを制作前に提出できれば、やりとりの手間が大幅に削減されます。
3. ランディングページのみ先行公開
構成が大きい場合、まずLP(1ページ構成)だけを先に公開し、残りは後日段階的に公開する方式も有効です。
サービスローンチやキャンペーンに間に合わせたい場合におすすめです。
4. 修正回数の制限と事前合意
「修正は最大2回まで」「構成は変更しない」など、制作中の変更を最小限に抑えることで、スケジュールが乱れにくくなります。
5. スケジュールを共有し、即レス体制を整える
- 社内で確認担当を決める
- デザイン確認や原稿チェックは当日または翌日中を目標に
こうした体制が整っていれば、制作側も迷わず作業を進めることができます。
このような工夫を取り入れることで、「1ヶ月以上かかるはずのサイト」が2〜3週間で公開可能になることもあります。
ただし、無理な短縮は品質や修正精度に影響を与えるため、優先順位を明確にしたうえでスピード対応を依頼することが重要です。
制作費用に影響する要素
ホームページの費用は、ページ数や種類以外にも、さまざまな要素によって上下します。以下のような要素が大きな影響を与えます。
デザインの自由度
オリジナルデザインでゼロから作るのか、テンプレートをベースに作るのかで費用は大きく変わります。
デザイン重視の場合、打ち合わせや修正回数も増える傾向があります。
CMS(WordPressなど)の有無
更新しやすいようにCMSを導入する場合、初期設定や構築コストが加算されます。
ただし、長期的に見ると自社更新が可能になるため、運用コストの削減につながります。
写真・文章などの素材の準備状況
原稿や写真素材を自社で用意できるかどうかも重要なポイントです。
- 自社で用意できる → 費用を抑えられる
- 制作側に依頼 → ライティング費・撮影費が発生
修正回数
デザインや内容の修正回数が多いと、その分工数が増え、追加料金が発生する場合があります。
初期段階で要件をしっかり固めておくことが、予算オーバーを防ぐ鍵になります。
費用と期間を抑えるためのポイント
制作費を抑えつつ、一定のクオリティを保つためには、以下のような工夫が効果的です。
テンプレート活用で時短・コスト削減
WordPressなどには多くの無料・有料テンプレートがあります。
デザイン性も高く、構築期間も短縮できるため、費用・期間の両方を削減可能です。
制作会社選びのコツ
- 見積書の内訳が明確かどうか
- 実績と対応業種に合っているか
- 保守やサポートの体制があるか
複数社から相見積もりを取ることもおすすめです。
自社で準備できるものを明確に
- 写真、原稿、会社ロゴなどをあらかじめ用意しておくと、制作側とのやり取りがスムーズになります。
- また、必要なページ・不要な機能を事前に絞ることで、無駄な作業や費用をカットできます。
公開後にかかる運用・保守の費用
ホームページは公開して終わりではありません。公開後にも必要な維持費用が発生します。
ドメイン・サーバー費用
- ドメイン費用:年間1,000〜3,000円程度(.com/.jp など)
- サーバー費用:月額500〜3,000円程度(共用/専用によって異なる)
保守・セキュリティ更新
制作会社に依頼する場合、月額5,000〜2万円程度が相場です。
内容には以下が含まれることが多いです:
- CMSやプラグインのアップデート
- バックアップ
- 軽微な修正対応
コンテンツ更新費
- ブログ記事の投稿代行:1記事あたり5,000〜20,000円
- ページ追加・修正作業:1ページあたり1〜5万円
制作会社に依頼する場合の注意点
保守費が「セット契約」になっている場合は、年間契約や自動更新の条件を事前に確認しておくことが重要です。
制作会社選びの注意点と比較ポイント
費用だけで選んでしまうと、後々トラブルになりかねません。
以下の点に注意して、信頼できるパートナーを選ぶことが大切です。
提案力とヒアリング力
こちらの目的や強みを正しく理解し、最適な構成やデザインを提案してくれるかがポイントです。
実績の確認
同業種の制作実績や、完成サイトのクオリティを確認しましょう。
また、公開されているポートフォリオに運用実績の有無が記載されていると安心です。
サポート体制
- 公開後の修正対応
- CMSの操作レクチャー
- 緊急時の連絡体制
こうしたサポートの有無が、長期運用の安心材料となります。
安さだけで選ばない理由
費用が安すぎる場合、以下のようなリスクがあります:
- テンプレートの流用のみでオリジナリティがない
- 修正に追加料金がかかる
- サポートが不十分
価格とサービスのバランスを重視して選びましょう。
参考:ホームページ制作会社の選び方:失敗しないための5つのポイント
見積もりチェックリスト
実際に制作会社から見積もりをもらった際に、次のポイントを確認することで、「妥当な金額かどうか」「抜け漏れがないか」を判断しやすくなります。
構成・ページ数が明記されているか
- トップページ、下層ページの数と内訳は明確か
- ページごとの金額または一式で記載されているか
作業項目ごとに内訳があるか
- ディレクション、デザイン、コーディング、CMS構築などに分かれているか
- 「一式」と書かれていないか(内容が曖昧な場合は要確認)
CMSの設定費用が含まれているか
- WordPressなどの初期設定費や構築費が明記されているか
保守・運用費が別途提示されているか
- 月額・年額など、公開後にかかる維持費が記載されているか
- 契約期間や更新条件が明確か
修正対応の回数や範囲が記載されているか
- 何回まで無料か、有料になる条件は何か
納期・スケジュールが見積もりと一緒に提示されているか
- 作業開始から公開までの流れが明記されているか
- 具体的な納期日数、作業開始条件(契約・入金後など)が明確か
オプション項目が区別されているか
- 撮影・ライティング・システム開発など、任意の項目が別立てで記載されているか
キャンセル時や中断時の対応が記載されているか
- 解約時の精算ルールや、途中でプロジェクトを中止した場合の費用について
このチェックリストを活用することで、価格だけで判断せず、内容・対応力・透明性の高さで選ぶことができるようになります。
特に「費用が極端に安い」場合は、必要な項目が省かれている可能性があるため、項目単位での比較が非常に重要です。
まとめ:目的に合った制作計画を立てることが大切
ホームページ制作の費用と期間は、「種類」「目的」「規模」によって大きく変わります。
一律で判断するのではなく、自社の目的に合った構成・仕様を明確にすることが、無駄な出費を防ぐ第一歩です。
また、見積もりの内訳をよく理解し、必要なもの・不要なものを取捨選択することで、費用と時間の最適化が可能になります。
本記事を参考に、安心してホームページ制作を進められるよう、準備を整えていきましょう。
