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コンテンツマーケティングの購買行動の種類と現代の消費傾向について
消費者の購買行動は時代によって変化してきました。購買行動については様々なモデルがこれまでに提唱されてきています。今回はそんな購買行動のモデルについて解説します。また、コンテンツマーケティングが流行している現代における購買行動のモデルについても解説しているので参考にしてみてください。
目次
インターネットが普及する前の世代
まずは、インターネットが普及するよりも前の時代に提唱された2つの購買行動のモデルを解説します。
AIDA
AIDAは、アメリカ人のSt.エルモ・ルイスによって提唱された購買行動モデルです。AIDAは、
・Attention:注意
・Interest:興味、関心
・Desire:欲求
・Action:行動
の頭文字をとってつけられた名前です。
AIDAの購買行動は以下のような形で説明することができます。
(1)消費者が広告を見て商品のことを知る (Attention:注意)
(2)広告を見てその商品を欲しいと思う (Interest:興味、関心/Desire:欲求)
(3)実際に商品を買うための行動を起こす (Action:行動)
広告を見てから商品を購入するまでの流れは、現代でも当てはまるものであり、購買行動のベースになるモデルだと言えます。
AIDMA
AIDMAは、1924年にサミュエル・ローランド・ホールが自身の著書で発表した購買行動です。AIDMAは、
・Attention:注意
・Interest:興味、関心
・Desire:欲求
・Memory:記憶
・Action:行動
の頭文字をとってつけられた名前です。
消費者が購買行動を起こすまでの基本的な流れは同じですが、「欲求」と「行動」の間に「記憶」が加わっています。消費者が商品を購入する際、欲しいと思ってもすぐに購入できるわけではないので、商品に関する情報を記憶し、その後に購入するというのがこちらのモデルです。この時代においては、広告を通していかに消費者の頭の中に、商品についての印象を強く残すか、ということが重要でした。
インターネットが普及し始めた頃
続いては、インターネットが普及し始めた時代における購買行動のモデルについて解説します。
AISAS
AISASは日本の広告会社である電通によって2004年に発表された購買行動のモデルです。
AISASは、
・Attention:注意
・Interest:興味、関心
・Search:検索
・Attention:行動
・Share:共有
の頭文字をとってつけられた名前です。
インターネット普及以前は、広告やCMなどを通してしか消費者は商品の情報を得ることができませんでしたが、インターネットの普及に伴い、情報が消費者側からも取得、さらには発信できるようになり「Search:検索」や「Share:共有」といった行動が加わっています。
イメージとしては、広告などで商品を認知し興味関心を持ったら、その後インターネットで検索をしてから実際に購入し、その後、商品の感想をシェアするという形です。
AISCEAS
AISCEAS は、アンヴィコミュニケーションズによって2005年に発表された購買行動モデルです。AISCEAS は、
・Attention:注意
・Interest:興味、関心
・Search:検索
・Comparison:比較
・Examination:検討
・Action:行動
・Share:共有
の頭文字をとってつけられた名前です。AISASに「Comparison:比較」と「Examination:検討」が加わっています。商品を購入しようとインターネットで情報を検索する場合、1つのサイトを調べて終わり、となる人は少ないはずです。複数のサイトで情報を「比較」して、どの商品がいいのか「検討」するでしょう。
インターネットの時代において、比較や検討も重要なプロセスの1つです。AISCEASは、そのような時代を象徴する購買行動のモデルだと言えます。
一般消費者がSNSを使用する時代
ここからは、TwitterやInstagram、FacebookのようなSNSが使用される時代における購買行動のモデルを解説します。
VISAS
VISASは、2010年頃に提唱された購買行動のモデルです。VISASは、
・Viral:口コミ
・Influence:影響
・Sympathy:共感
・Action:行動
・Share:共有
の頭文字をとってつけられた名前です。
従来では、広告が商品やサービスを認知するきっかけになっていましたが、VISASでは、SNS上における口コミから始まっているのが特徴です。口コミを見て、それに影響を受けて共感し、購買行動を起こし、実際に使用した商品の感想を共有するという仕組みになっています。
SIPS
SIPSは、2011に提唱された購買行動のモデルです。SIPSは、
・Sympathy:共感
・Identify:確認
・Participate:参加
・Share & Spread:共有・拡散
の頭文字をとって名前がつけられています。
最初の段階の「Sympathy:共感」とは、SNS上で共感できる情報を見つけるというものです。その後、情報を確認し、いいと思ったら「いいね」や「リツイート」ボタンを押します。「いいね」や「リツイート」をすることは企業の広告活動に参加していることになります。「いいね」「リツイート」によってその情報はまた別の人の元に届き、さらに共有、拡散されていくことになります。
このように、SIPSは実際に購買行動こそありませんが、消費者が広告活動に参加する点が大きな特徴だと言えます。
ULSSAS
ULSSASは、飯髙 悠太氏によって提唱された購買行動のモデルです。ULSSASは、
・UGC:ユーザー投稿コンテンツ
・Like:いいね
・Search1:SNS検索
・Search2:Google/Yahoo!検索
・Action:行動
・Spread:拡散
の頭文字をとって名前がつけられています。
流れとしては、まず商品を購入し使用した消費者が商品の口コミをSNS上に投稿します(UGC)。その後、投稿が「いいね」され、「いいね」した消費者が実際にその商品やサービスをSNS上で検索し、さらにGoogleやYahoo!などでも検索を行います。(Search1、Search2)。情報を得て欲しいと思ったら実際に購買行動を起こし(Action)、実際に使った感想をSNS上にシェアしていきます(Spread)。
ULSSASにおいては、最初に質の高いUGCを発生させることが重要です。そうすれば、自然とULSSASが繰り返されていくことになります。
コンテンツマーケティング主流の時代
続いては、コンテンツマーケティングが主流の現代における購買行動のモデルを解説します。
DECAX
DECAXは、電通デジタル・ホールディングスが2015年に提唱した購買行動のモデルです。DECAXは、
・Discover:発見
・Engage:関係
・Check:確認
・Action:行動
・eXperience:体験共有
の頭文字をとって名前がつけられています。
このモデルの特徴は、消費者が求める情報を自らが見つけにいく(発見)ところからスタートしている点にあります。
消費者は有益な情報を見つけられたら、そのコンテンツを何度も確認したり、コンテンツ自体のシェアを行なったり、さらにはそのコンテンツを発信する企業のメールマガジンに登録したりと「関係」を深めていきます。
関係を深めていく過程で、消費者はその企業が扱う商品を「確認」します。その商品が自分にとって有益だと判断されれば、実際に購買「行動」を起こし、その後自身の体験をSNSなどで共有していきます。
これが、DECAXの流れです。DECAXにおいては、質の高いコンテンツを作ることが大きなポイントとなります。
DualAISAS
DualAISASは、先ほど紹介したAISASをコンテンツマーケティング用に、進化させた購買行動のモデルです。
簡単にいうと、消費者が商品を購入するまでのAISAS(縦方向のAISAS)に、他の人にも情報を広めたいという別のAISAS(横方向のAISAS)が加えられているということです。
先ほども説明していますが、従来のAISASは以下の通りです。
・Attention:注意
・Interest:興味、関心
・Search:検索
・Attention:行動
・Share:共有
これに情報を拡散したいという消費者の心理を表したAISASは以下の通りです。
・Active:起動・活性化
・Interest:興味
・Share:共有・発信
・Accept:受容・共鳴
・Spread:拡散
情報を広めたい、と思っていたユーザーが、何かしらのきっかけで実際に購入したい、状態に変化し、縦型のAISASに移行するのがDual AISASの流れです。
現代の消費者行動の実態
インターネットやSNSによる情報検索が行われる現代においては、ユーザーにとって共感してもらえるような情報を発信することが大切です。もちろんユーザーに見てもらうためにSEO対策を行うことも必須と言えるでしょう。注目を集めるコンテンツでも情報が間違っていればユーザーの信頼は得られません。
現代のユーザーは情報を発信する側のことをよく見ている、と認識しておいたほうがいいでしょう。
まとめ
時代の変化によってユーザーの購買行動のモデルも変化しています。インターネットがない時代は、「広告でいかに記憶に残らせるか」が重要でしたが、コンテンツマーケティングが主流の現代では、「いかに質の高いコンテンツを発信し続け、ユーザーと関係性を築いていくか」が重要になります。コンテンツマーケティングを行う企業は、まずは1つ1つのコンテンツを丁寧に作り、ユーザーとの関係構築に取り組むようにしましょう。