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オウンドメディアの記事作成の流れと注意すべきこと
オウンドメディアの記事作成は、外注するにしても発注側が「どんな記事が読まれるのか」を知っていなければ、魅力的な記事は生まれません。またユーザーに届かないミスマッチな記事が生まれる可能性も高いのです。
ここでは記事作成の流れと実際に気をつけるべきポイントをいくつか挙げてみます。
目次
まず、最初にすべきこと : ゴールを設定する
ライフスタイルが多様化し、画一的なマーケティングが通用しなくなっている今、露骨に販売意図がわかる広告にはユーザーはなかなか興味を示しません。
だからこそ、そこにオウンドメディア制作の必要性があるとも言えます。
自社の商品やサービスをユーザーに知ってもらうために「共感」から入るのが、広告とは異なるオウンドメディアの強みです。
一見遠回りですが、押し付けではなく、ユーザー自らが“選んだ”ことにより、共感意識が高まるのです。
オウンドメディア作成の前にまずすべきことは、自社のどんなところを最終的にアピールしたいか、ゴールを設定することです。
商品・サービスなのか、ブランドイメージなのか、求人なのか。それがハッキリしないことには、次のペルソナ設定や記事作成に進めません。
一般的には、次のようなゴールが考えられます。
- 商品やサービスの販売につなげる
- 新しいユーザー(新規リード)を獲得する
- 企業のブランド力を上げる
- ファンを作る
- 自社の求人や採用につなげる
もちろん複数あってもかまいません。まずは何を目的にするかを明確にしましょう。
ターゲット、ペルソナからカスタマージャーニーを想定する
ゴールを決めたら次にそれに合ったターゲット、ペルソナを絞っていきましょう。ここではペルソナは「理想の顧客像」とお考えください。
絞りきれない場合は、広い範囲のターゲットとするか、あるいは複数のペルソナをイメージします。
そしてそれぞれどうやってこのオウンドメディアにたどり着き、「購入(商品やサービス)」するか、カスタマージャーニーを想定し、そこからユーザーがどんな記事を欲しているかを考えるのです。
ここで注意が必要なのは、ペルソナが複数いる場合、それぞれのカスタマージャーニーが必要になるということです。たとえば読んでもらいたいユーザーがBtoCではなく、BtoBでは、カスタマージャーニーが異なります。
以下はざっくりとした例ですが、
BtoB 企業 : 決定権のある役職や部署 → メリットがあることを論理的に表現する記事で引き込む
BtoC 個人 : 商品やサービスを前面に押し出さず、「共感」に焦点を当てた記事を作成
ということが考えられるでしょう。
ここまでは外注の場合でも必ず発注側が決めておかないと、何を目標としているのかが作成側と正しく共有できなくなり、進行がうまくいかなくなる可能性があります。
記事のフォーマットを考える
ライターよりもデキる編集者が重要
同じようにオウンドメディアの設計図を描くのは、ライターでもデザイナーでもなく編集者です。
もちろんそれぞれがプロなので、ある水準のものは作れるはずですが、基本、彼らは受け身なので、きちんとした編集者を立てることがライター探しよりも重要です。
ライターは自分が書いたコンテンツひとつ一つには責任を持ちますが、他のライターが書いた記事には関知しません。
サイトの方向性をトータルで理解し、行くべき方向へ導くのは編集者です。すぐれた編集者がいれば、依頼する側の苦労も半減します。また、記事のタイトルや見出しは編集者が責任を持つ(書き換える)ことも必要でしょう。
レイアウトはデザイナー任せにしない
レイアウトですが、インパクトで押すのか、上品な雰囲気で押すのかでも、デザイナーは発注者の意図を汲んで仕上げていきます。見出しのフォントの大きさ、段落のつけ方、全体の構成を決め、カテゴリーやタグ、リンク表示などの入れ方も決めるのは、基本的には編集者です。
もちろん指示がほとんどなくてもデザイナーは、それなりには仕上げてくれます。ただし、大まかなイメージを伝えることは必須です。
たとえば「上品に仕上げたい」ならば、白地であるホワイトスペースを増やし、フォントもそのように変え、派手な色使いは減らすでしょう。カード会員誌など、高級感のある雑誌のレイアウトはごちゃごちゃしていませんよね。
逆に若者向けならイラストや画像をランダムに配置し、わざとごちゃごちゃさせて楽しさを演出するレイアウトもあるかもしれません。
フォーマットを決める。だがそれに縛られない
一般的にはオウンドメディアはスタート時に100ページは必要と言われています。その後も増えていくので、最初にきっちりとしたフォーマットを作ることが必要です。
ただし勘違いしてはならないのは、作ったフォーマットが「絶対」ということはないということです。
時間が経つにつれてフォーマットが合わなくなっているのに、記事を無理やりあてはめてしまうためライターの意欲が減退したり、そのメディア自体が惰性で動いてしまったりしているサイトもあります。
記事のフォーマットも、場に応じて見直しも必要です。
文章の長さは?
オウンドメディアにおける記事作成で、最も重要といえるのはキーワード検索ですが、それは少し長くなるので次の段落で。
ここではどのくらいのボリュームの記事が最適かを考えてみましょう。インターネット上で記事が量産されたゼロ年代は、パッと読める1000字ぐらいの記事がいいとされていましたが、現在では、Googleアルゴリズムの変化もあり1800〜5000字のボリュームが求められています。
また、ゼロ年代に比べてより深みのある内容が求められ、1000字以内の記事では物足りないと感じられるようになりました。長ければいいというわけではありませんが、内容が薄いとせっかく訪れたユーザーが二度と訪れなくなってしまいます。
文量ですが、まずはひと記事を3分で読ませるなら1500〜2000字、5分なら2000〜3000字ぐらいを目指すのがいいでしょう。
「検索」とはユーザーのニーズである
検索はインターネットの基本
オウンドメディア作成において、最適なキーワードを選定して記事作成を行うことは重要です。
ユーザーがどのようにしてそのページを訪れたかは、ブランド名からやってくるか、リピーターでない限り、その多くは検索エンジンからです。
ユーザーは何かを調べる場合、それが商品やサービス、あるいは情報でも、キーワードに入力することから始まります。つまり、ユーザーが入力するキーワードが、ユーザーのニーズそのものと考えていいでしょう。
もし、キーワードを入力し目的のメディアにたどり着くとしたら、オウンドメディアでは、その逆と考えればいいわけです。
ただしキーワードは一つではなく、いくつかの単語の掛け合わせになります。例えば、海外旅行保険を調べる時には、「海外旅行」「保険」「カメラ」などといったキーワードを入れて探しますよね。
その検索上位になるキーワードを知り、うまくタイトルや見出し、本文に入れ込めれば、検索でヒットする確率が高まるのです。
それではそうしたキーワードはどうやって調べればいいのでしょうか?
サジェスト機能を使う
GoogleでもYahooでも、検索の窓にキーワードを入れると、次に続けて幾つかのキーワードがリストとして出てきますよね。
これはユーザーが次に入れるキーワードを予測表示しているのですが、これは過去の検索結果の上位のキーワードです。そこでこれを参考にすれば、記事作成に有効なキーワードが見つかるはずです。
たとえばYahooで「海外旅行」と入れると、続いて「持ち物リスト」「おすすめ」「人気」などが表示されます。この中で「おすすめ」を選んだとすると、3番目のキーワードとして「国」「安い」「女子」などが出てきます。
それらを組み合わせて「物価が安い、海外旅行でおすすめの国」のようなタイトルや見出しを作ることもできますね。
Googleトレンド
「トレンド」という名のとおり、現在何が数多く検索されているか、そしてその数の推移をチェックできる検索ツールです。
トップページに例や最新の急上昇ワードが出ていますが、検索にキーワードを入れて動向を調べることができます。
例えば「電気ケトル」の記事を書くとしたら、関連キーワードの欄で増加しているものがあれば、それも見出しや本文に足すと検索に引っかかる可能性が増えるでしょう。出てくるメーカー名を見れば、何のケトルが今注目されているかがわかりますし、その記事を書けばPVが増加する可能性が高いことがわかります。
公開後にもメンテナンスは必要
さて、記事ができあがりました。しかしそれを公開して終わりではありません。
最近、誤字・脱字が多いネットニュースが気になりませんか?
紙媒体では出版前に複数の人間が記事の校正や校閲をしますが、ネット記事の場合は慢性的にマンパワーが足りないこともあり、そこがおろそかにされているきらいがあります。
しかし誤字・脱字だけでなく、事実関係が間違っている記事があったら、そのサイト自体の信用度も下がります。
落ちた信用を取り返すのはなかなか難しいもの。幸いネットの場合は修正が簡単です。まちがいがあれば素早く直せますし、リライトもできます。
また、公開後に事情が変わったり、トレンドが変化したりする場合もあります。また内容に自信がある記事なのにPVが今ひとつ伸びない場合は、選定キーワードなどを再検討しリライトを施すことも必要でしょう。
まとめ
今回は、実際に記事作成をする前に最低限明確にしておくこと、そして記事作成の流れ、どうしたらアクセスが伸びるかのヒントを紹介しました。
社内で作成するにせよ外注するにせよ複数の人間が関わることなので、ゴールをきちんと共有できるかは大事です。
また、ユーザーとなるペルソナを絞り、そこから検索キーワードを探すヒントも紹介しました。以上のことを考慮して、記事作成に進みましょう。