最新情報 & コラム
クレジットカード決済のできるECサイトはどうやって作る?導入方法は?
新型コロナウイルスの感染症により、ECサイトを運営する企業が増えてきました。今では簡単に始めることのできるASPを導入している企業も多く、オンラインと実店舗など、マルチチャンネルで事業展開をし、売り上げを伸ばしているのではないでしょうか。
しかし、ECサイトを運営するにあたり決済方法のひとつである「クレジットカード決済」は今ではユーザーにとって当たり前の機能となっており、欠かすことが出来ない選択肢です。
今回はクレジットカード決済の種類やその特徴をご紹介します。
目次
クレジットカード決済機能導入で得られるメリット
ユーザーの増加(決済の手間の軽減)
まずはユーザーの増加です。クレジットカード決済が利用できないECサイトの場合、代引きや銀行振り込み、コンビニでの支払いなど、ECサイト内で手続きが完了できず、ユーザーの方で手間がかかってしまいます。
クレジットカード決済を導入すれば、ECサイトの場合はホームページ内で購入手続きが完了するので、ユーザー側で支払いの手間がなくなります。また、一度クレジットカードで購入をすれば、リピート購入もしやすくなるメリットもあります。
売上の拡大
高額商品を購入する際、手元に現金を用意してから購入する必要があったり、それだけの金額が準備できていなかったりと、欲しかった商品の購入をユーザーが断念することで、機会ロスとなってしまいます。
しかし、クレジットカード決済が利用可能であれば、分割での支払いも可能となるので、現金が無くても、ユーザーの欲しいタイミングで購入できるため、結果としてECサイトの売上にも繋がります。
定期契約の継続率アップ
クレジットカード決済が可能なら、商品の定期購入や月額サービスが行えるようになります。ユーザーがわざわざECサイトへ訪れて、その都度購入手続きをする必要性がないため、定期契約率、持続率アップが期待できます。
クレジットカード決済機能導入によるデメリット
初期費用や決済手数料など費用が掛かる
クレジットカード決済を導入することで、初期費用や月額で利用手数料が掛かることがあります。初期費用、固定費用、手数料の3つの費用は、検討しているサービスでどれくらいかかるのか、しっかりと確認しておきましょう。
即日導入できないことも。ECサイトの改修も必要
クレジットカードの決済は、申請してから、審査を行い、その後その結果を元に利用可能なサービスを選択することになります。したがって、申請して即日導入できるサービスは限られています。
ECサイトを自社で管理していない場合、サイトの管理会社に、クレジットカード決済機能を実装するために行う改修には、どれくらいの費用が発生するのか確認しておきましょう。
クレジットカード決済を導入する方法
クレジット決済を導入する場合、その方法は大きく2つに分かれます。
クレジットカード会社との直接契約
VISAやJCBなどクレジットカードブランド会社と直接契約をし、クレジットカード決済を導入することが出来ます。直接契約することが出来るため、中間マージンなどの余計な費用を抑えて導入することが出来ます。
デメリットとしてはカードブランドごとの契約となるため、複数の決済方法を導入、管理する必要があり、ECサイトの改修費が都度かかってしまうこともあります。
決済代行会社の利用
クレジットカード決済は決済代行会社と契約することで利用することも可能です。
各決済サービスを扱う会社とのパイプ役として手続きを進めてくれるため、管理者側は1つの決済方法を導入すれば利用可能になります。
クレジットカードの利用可能種類は、その決済代行会社の契約に依存しますが、売上金はカードブランドごとではなく、まとめて売上入金を行ってもらえるので、入金管理をシンプルに行うことが出来ます。
カードブランドとの直接契約よりも手数料などの費用が掛かってしまうデメリットはありますが、手間を最小限に抑えることが可能です。
クレジットカード決済導入にかかる費用
クレジット決済を導入する際に発生する費用に関して、代表的なものを紹介していきます。
初期費用
クレジットカード決済機能を実装する際に掛かってくる費用です。導入サポート、管理画面のアカウント発行などの手数料が含まれています。
現在、クレジットカード決済機能の導入は一般化されてきているため、初期費用の相場としては1~5万円程度とかなり敷居が低くなっています。初期費用が無料で実装できる決済代行会社もあるようなので確認してみましょう。
月額料金
決済システムを利用する利用するために発生する基本料金です。決済代行会社のサーバー利用や顧客データの管理費がここに含まれています。初期費用同様、従来に比べると価格が下がってきており、3000円~8000円が一般的な相場となってきています。
決済手数料
ユーザーが、商品をクレジットカード決済にて購入した際に発生する手数料です。決済手数料は販売する商材によって、若干その相場は変わってきます。
- 衣料品、食品などの物販は3~5%
- 美容サービス全般、マッチングサービスなどのサービスは5~10%
決済手数料が異なる理由は、ユーザーによる未払いのリスクが高い商材であるときに、この決済手数料が高く設定されている傾向にあります。
取り消し手数料
ユーザーが注文を取り消したり、返品交換を行ったりした場合に発生する費用です。費用としては大体5~15円が相場です。特にアパレルでサイズ展開をしている場合は頻繁に発生します。
トランザクション費
決済時や審査結果を送信する際にデータ処理を行う通信料です。費用としては1件当たり代替5~15円が相場となっています。利用する決済代行会社やサービスの内容によっては月額費に組み込まれている場合もあります。
導入時に掛かる費用 | 一般的な相場価格 |
初期費用 | 1万円~5万円程度 |
月額料金 | 3000円~8000円 |
決済手数料 | 決済総額の3~5%(サービスの場合は5~10%) |
取り消し手数料 | 1件当たり5~15円 |
トランザクション費 | 1件当たり5~15円 |
クレジットカード決済の種類
主な接続方式は4つ
クレジットカード決済システムの接続方法で代表的なものは以下の4つです。
- 「リンク型(画面遷移)」
- 「トークン型(JavaScript)」
- 「API型」
- 「メールリンク型」
ECサイトの規模や運用方針により、それぞれの向き不向きがあるので、以下に挙げる項目を検討した上で適切なものを検討することをお勧めします。
- システム構築および運営コスト
- お客様の個人情報の取扱いなど、セキュリティ関連
- 販売および注文方法
- 事業の規模(注文数、国内外の展開など)
- 自社ECサイトの運営方針
リンク型(画面遷移)
リンク(画面遷移)型の決済方法は、決済手続き時に、決済代行会社の決済ページに画面遷移し、決済処理を行う方式です。決済代行会社のホームページ内で手続きをするため、大きな改修などは発生しません。
一番のメリットは、決済代行会社のホームページ上での手続きとなるため、クレジットカード情報を事業者側で保持する必要はありません。したがって、個人情報漏えいなどの被害リスクを最小限抑えた運用が可能です。
こんな事業者にオススメ
- 大きな改修はせずにクレジットカード決済システムを導入したい
- 開発および構築コストを抑えたい
- お客様のクレジットカード番号を取得することを避けたい方
(情報漏えいの被害リスクを最小限に抑えたい)
利用の流れ
- ユーザーが事業者のECサイトから購入申請
- 決済代行会社の決済入力フォームでクレジットカード情報等を入力
- 各決済機関へ決済データの送信
- 各決済機関より決済の審査結果を決済代行会社のサーバーを経由して事業者へ通知
- 決済結果確認後、事業者よりユーザーへ商品発送(サービス提供)
トークン型(JavaScript)
トークン(JavaScript)型は、JavaScriptのプログラムを事業者のクレジットカード情報入力のページに埋め込むことで、クレジット決済を行うことが出来る方式です。トークンはクレジットカードの情報を元に生成されているため、事業者にはクレジットカード情報を保持せずに決済を強化することが可能です。
クレジットカード情報の漏えいの抑制にもなるため、セキュリティ面でも強化されます。
こんな事業者にオススメ
- 自社ECサイトに決済機能を組み込みたい
- 自社でクレジット情報を管理せず情報漏えいのリスクを減らしたい
- セキュリティを強化したい
- 自社ECサイト内で決済フローを完結させ、カゴ落ちを減少させたい
- 画面遷移での離脱リスクを減らしたい
利用の流れ
- お客様が事業者のECサイトから購入申請する
- ECサイト内でクレジットカード情報を入力(SSL対応ページ内)
(JavaScriptプログラムを利用して、直接決済代行会社に送信される) - 決済代行会社にてクレジットカード情報のトークン生成を行い事業者へ返却
- 事業者よりクレジットカード会社へトークンと決済データを送信
(決済代行会社の決済サーバーを経由) - クレジットカード会社より決済結果を事業者へ通知
(決済代行会社の決済サーバーを経由) - 決済結果確認後、事業者よりユーザーへ商品発送(サービス提供)
API型
事業者が現在利用している決済画面より、クレジットカード情報を決済代行会社へ送信し、決済処理を行う方式です。デザインを自由に設計することが出来るため、「カート落ち」と呼ばれる、ユーザーが買い物の途中で離脱してしまうリスクを減少させることが出来るというメリットがあります。
こんな事業者にオススメ
- 大規模ECサイトや注文件数が大きいECサイト向け
- カートも含め、自社ECサイトのデザインを統一したい
- 自社ECサイト内で決済フローを完結させ、カゴ落ちを減少させたい
- 画面遷移での離脱リスクを減らしたい
利用の流れ
- ECサイト内でクレジットカード情報を入力(SSL対応ページ内)
- クレジットカード情報を決済代行会社へ決済サーバーを経由して各決済機関に決済データ送信。
- 各決済機関から決済結果返答が決済サーバーを経由して事業者宛に送付
- 決済結果確認後、事業者よりユーザーへ商品発送(サービス提供)
メールリンク型
メールリンク型は上記に挙げた形式とは少し異なり、一度ECサイト上で購入申請をしてもらいます。その後決済代行会社から提供される決済手続き用のURLをメールでユーザーへ案内し、そちらの決済代行会社の決済フォーム内で決済を完了する方法です。
こんな事業者にオススメ
- WEBや店頭、電話注文など、色々な注文方法を採用している
- 予約販売やお問い合わせ後にヒアリングをして見積が必要
- 決済システムを簡易的に導入したい
利用の流れ
- ユーザーからの購入申請
- 事業者が購入情報を入力し、決済ページを作成
- ユーザーへ決済案内メールの送信
- ユーザーが内容を確認
- ユーザーが決済ページへ進み、クレジットカード情報を入力
- 各決済機関よりユーザーの決済結果が決済代行会社へ返答される。
決済代行会社より結果を事業者に通知 - 事業者は決済結果確認後、ユーザーへ商品発送(サービス提供)
クレジットカード決済代行会社の選び方
クレジットカード決済会社は世の中にはたくさんあり、その契約内容やランニングコストは様々です。自社ECの規模感やビジネススタイルに合わせて以下に挙げる3つのポイントを押さえて選ぶようにしましょう。
利用したい決済方法と接続方法があるか
クレジットカードブランドは複数存在しております。まずはクレジットカードの種類が多く利用できる決済代行会社かどうかを確認しましょう。
また、クレジットカード決済以外にも後払いサービスやコンビニ決済、電子マネー決済を選択するユーザーも加味した上で検討しましょう。
既に利用したい接続方式を決めているのであれば、その接続方式が提供されているかについて事前に確認しておいてください。
決済代行手数料
クレジットカード決済を利用すると、その利用手数料をカード会社に支払う必要があります。カード会社によって様々ですが、一律で設定していることもあれば、取引数、決済の合計金額で手数料の割合が決定することもあります。
自社のビジネスにマッチしつつ、代行手数料を抑得ることが出来るサービスを提供している決済代行会社を選定する必要があります。
また、将来的にはそのサービスの乗り換えが容易かどうかも考慮することが出来ると良いでしょう。
セキュリティ対策や安全性
自社でクレジットカード方法を取り扱う場合、それなりのセキュリティをしっかりと対策した上で行うことが望ましいですが、決済会社と契約して委託する場合は、その会社のセキュリティ部分もチェックしておきましょう。
多くの場合、導入実績が多い大手の決済代行会社ほどセキュリティが充実しています。逆に新しいサービスを提供している決済代行会社は、セキュリティ面で不安はあるものの、手数料が低く設定していることもあります
入金サイクル
クレジットカード決済による売上金は即日入金という事にはなりません。基本的には締め日と入金日が設定されており、注文キャンセルや手数料を差し引いた純粋な売上金が入金されます。クレジットカード決済から、入金までの期間を「入金サイクル」と呼びます。
入金のサイクルは末締めの翌月または翌々月末払い、15日締め、月末払いなどがメジャーなサイクルとなっています。
もしECサイトを立ち上げたばかりなのであれば、手数料を抑えた決済代行会社を選択し、ECサイトがある程度の規模感になったタイミングで、セキュリティがしっかりとした決済代行会社と契約するというのが、一般的な決済代行会社の選び方となっています。
まとめ
決済に関しては、クレジットカード決済だけでなく、ECサイトを運営していく上で、ユーザーの利便性を考慮すると必ずと言っていいほど導入するべき部分です。
ご紹介した4つの種類は代表的なクレジットカード決済の代表的な機能です。手数料、セキュリティ面など、今の運営しているECサイトや運用方針により最適なものが異なります。今回は具体的なクレジットカード決済代行会社はあえてご紹介しませんでしたが、上記に挙げた点を参考に現在のECサイトにあった決済代行会社をご検討いただければと思います。